今月の作家 (平成25年5月号より) 

 

 

雪解靄 小池旦子

 

 

 私の住む魚沼地方は、雪の多い事で知られていますが、それだけに春の喜びも一入のものがあります。

 冬も終りに近づくと、山の到る所で雪崩跡が見られ、雪解けが始まります。雪間の蕗の薹や坂を下る雪解水も、春を奏でているように感じられます。そして梅・桜と春の花が一斉に咲き始めるのです。雪解靄に包まれる日が一週間も続くと、一メートルもの雪が嘘のように消えてしまっています。