今月の作家 (平成25年8月号より)  

 

 

夏の森  柳瀬 秀子

  

 六月の森は命を繋ぐエネルギーに満ち溢れています。重なりあい絡みあい挑発する木々、蝉は声をふりしぼり滝はとどろいて、森中が生を謳歌しているようです。むせ返る草いきれの中で私は、自然のパワーにただ圧倒されるばかりでした。

 儚い虹が滝に現れて、空間を美しく支配しています。大きなものの前で、人間である自分など自然界の、ほんのちっぽけな一部だと思い知らされました。