今月の作家 (平成27年3月号より)  

 

 

紅葉祭  植草 泰子

 

 旅にはカメラを持つのが常だったが、最近はそう双眼鏡を持つことに。遠い尾根や、何かを啄む鳥の群、秋から冬に移りゆく木々の肌、流れの中の岩、思いがけない家や人影が間近に見え、想像もしない景色が展開する。

 自分の目で眺めることで見えてくるものがある。俳句は季語を介して、独立した世界を描く。人事でも自然でも、自分の目と感覚で捉え描くことが、大切なのであろう。