野火歳時記

〈11月

 

柊の香や極楽の余り風         菅野 孝夫

 

柿よりも柿の色して柿落葉       伊藤 泰子

 

冬めける湯気吐き出して湯葉屋かな   大越 徹夫

 

初霜の見沼田圃の広さかな       小川 斗夢

 

木の枠のガラス磨かれ一葉忌      柏木はる子

 

四万十川の手摺なき橋小六月      川名 澄子

 

立冬の存在証明ぼんの窪        砂   女

 

大根の葉で大根を洗ひけり       仲代 知子

 

先生は四人の子持ち文化の日      古木真砂子

 

佃煮の雑魚の目玉や酉の市       増田 芳朗

 

石蕗の花一部欠落山の雨        真々田 香

 

神鶏のとさか黝ずむ初時雨       山口あつ子