眺めけり

菅野孝夫

 

 

増田芳朗さん

人一人ゐなくなりたる蛍の夜

 

にはとりのこここと鳴ける麦の秋

 

田を植ゑて田に泥の手を洗ひをる

 

あめんぼの輪と雨の輪と梅雨に入る

 

南瓜の花大きな口を開けて雨

 

馬鈴薯の花や成田の三里塚

 

野いちごに腰をかがめて山男

 

郭公やみづうみ深く水たたへ

 

大阿闍梨小阿闍梨夏の日の銀座

 

目高より小さなものに目高の子

 

体力と気力のギャップ蟇の恋

 

初鮎の数ふるほどもなき釣果

 

鮎掛や竿しならする立て続け

 

取り込んでしばらく鮎を眺めけり

 

このごろの疲れやすさや夏の蝶

 

うんそれがどうした羽抜鳥元気

平成30年12月号より

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