雪とけて 菅野孝夫

 

枝の雪こぼれて雪に沈みけり

 

とけもせず日当つてゐる屋根の雪

 

昼過の机上に伸びて冬至の日

 

氷柱から氷柱のしづく夜に入る

 

生醤油を仕上げに牡蠣のバター焼

 

ストーブに鯣を炙るにほひかな

 

利根川に中洲の出来て空つ風

 

寒中や水の底行く鳥の影

 

平飼の寒卵にてやや小ぶり

 

鉢の土捨ててありたる冬の雨

 

氷柱太く父母亡きあとの生家かな

 

枯木立見知らぬ鳥の来ては去る

 

鳩の足雀の足や雪とけて

 

蠟梅や筧に山の水を引き

 

カマンベールチーズの黴や雪の朝

 

日脚伸ぶ三縁山の一里鐘

平成29年12月号より

平成年11月号より

平成30年10月号より

平成30年9月号より

平成30年8月号より

平成30年7月号より

平成30年6月号より

平成30年5月号より

平成30年4月号より

平成30年3月号より

平成30年2月号より

平成30年1月号より

ホームへ戻る