止めどなく 菅野孝夫

 

みちのくの不意の寒さや駅を出て

 

山を背に人の家あり雪が降る

 

飛びとびに離ればなれに雪の家

 

降る雪や南部のことば語尾丸く

 

雪踏んで下の畑のところまで

 

吹雪にも雨にも打たれ賢治の碑

 

賢治の国まだらの雪を野に山に

 

トイレまで廊下の軋む雪の宿

 

凍てついて夜鷹の星の辺りかな

 

春の修羅雪は天から止めどなく

 

牡丹雪山猫軒に降りつもる

 

雁帰るイーハトーブの山越えて

 

北上の流れ目に見ゆ猫柳

 

早池峰はまだ雪ながら鳥の恋

 

しがつこが流れて来たぞすぐ春だ

 

べごつこが出たぞばつけも出ているべ

 

*しがつこ=氷 べごつこ=猫柳 ばつけ=蕗の薹 いるべ=いるだろ

平成30年12月号より

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